☆「未来創造の経済学」のハイエク先生の公開霊言を読ませていただいて、とむすけが心惹かれたところを抜粋し、記憶に残しておこうという趣旨で、記事にしたいと思います。(時間をみつけて抜粋していこうと思います。)
続きをいこうと思いますが、次はハイエク先生がケインズ先生の経済学に対し、とても真摯に意見を述べられています。 その問題点やケインズ先生の過去世についてなど。
P38
「彼の考えでいくと、結局『大きな政府』が必ず出来上がって、人々が圧政から逃れるための努力をしなくてはならず、気をつけないと、政府の言うことを聞かない者は、粛正されたり、国外脱出をしたりするようなことがおきるわけですね。」
以上のようなむすびになるのですが、その詳細は是非読んみてお楽しみいただければと思います。
そして、マルクスについて「何が誤っていたために、結局、あのように地獄に堕ちているか、教えていただけると幸いです」の質問に対し、お応えいただいています。
P42 「マルクスの原点は「自己弁護」にある!」
うーん、彼はねえ、原点は「自己弁護」だと思うんですよ。自分が貧しくて事業に成功しなかったことなどを、全部、基本的には、外部に責任を押しつける考え方を持っていると思うんですね。それは、あなたがたの宗教でも教えている「自己責任」ではなくて、他の責任にする生き方ですよね。
そういう自己弁護のためだけに、あの膨大な経済哲学をつくり上げた人だと思う。「自分が貧しいのは、なぜか。それは大資本家が悪いからだ」ということを理論化したわけですね。
経済というものは、まあ、あなたがたも食べるでしょうが、一つのピザパイのようなものです。これに刻みをいれ、六等分や八等分にしてあると、「人が何人いたら一人に何切れ当たるか」ということが分かります。「食べる人が多いと、一切れしか当たらなかったり、一切れもあたらなかったりするけれど、一人だけだったら全部を食べられる」と基本的に考えることができます。
そして、マルクスの考え方は、「大資本家が、そのパイの大部分を取っている。」例えば、八等分できるパイがあっても、大資本家が、八切れのうち七切れを取って、労働者には一切れしかくれない。これは、けしからん。これが、労動者が貧しい理由である。大資本家から残りのパイを取り戻せ。一切れしかもらっていない労働者たちが集まって、労働組合による政治を行い、全員で、きちんと正しく配分しようじゃないか。大資本家には、八分の一以上は与えないようにしようじゃないか」というものです。
基本的にはそういう考えなんです。
だから、マルクス主義には高度な累進課税があります。土地とか工場とか、こういう大きな生産手段が富の格差を生むからです。
今、日本でも「格差是正」と、ずいぶん言っているでしょう。?そういう生産手段を与えると大金持ちが出てきます。工場を持っている人だとか、親から譲られた大きな資本を持っている人だとかがいて、そういうものがあると、格差を生むから、それをなくそうとして、累進課税を行うんです。
それから、マルクス主義では、相続をさせないようにするため、生産手段を国有化して個人に渡さないようにし、「国家が国民を公平に処遇する」という美名の下に政治体制が出来上がっています。
「プロレタリアート独裁というかたちで、労動者が独裁する国家が生む平等な社会によって、最終ユートピアが出来上がる」と、まあ、こう考えるわけですね。
ただ、「プロレタリアート独裁」という言葉はきれいだけども、実際には労働者は世界中にいるわけです。世界に何十億もいる労動者たちに、どうやって独裁ができるんでしょうか。できるわけがありません。
あるとしたら、そういう人たちが、不平不満を持っている相手をつるし上げるかたちの独裁しかありえないですよね。
「こいつが悪いことをした」と犯人を決めつけて、その人をギロチンにかける。絞首台に乗せる。電気椅子に座らせる。
そういう意味での独裁なら可能かもしれないけれども、「実際に、労働者が、すべての経済原理を理解して、富を公平に分配する」などということは、できはしないのです。
結局、共産党員という名のエリートが出てきて、それが支配する。
中国には十三億人の国民がいたって、結局、七千万人ぐらいの共産党員が中国を支配している。 しかも、七千万人もの人がいても、そのほとんどは下部の者であり、上層部にいるのは、ごく一部にすぎず、その一部の人たちが支配する。
そこにあるのは、言論の統制、信教の自由の統制、思想・良心の自由の統制です。そして、反政府的な言論には、全部、統制をかけていきます。
そのように、実際には、マルクスが考えていたことと、ちょっと違うようになってきたのです。
ただ、彼の思想自体には、要するに、「自分より成功した人は、みな悪人だ」と見る考えがあると思うんですね。
彼は「ライン新聞」という新聞社の論説主幹でありながら、事業が潰されてしまった。
それから、著書も、彼が生きている間には、大して印税収入にならなかったし、友人のエンゲルスの援助を受けて生活し、また、自分の子供をエンゲルスに預かってもらうような状況でしたよね。
だから、マルクスの場合、根本的に見て、基本的な人間性のところに問題があり、あなたがたが説いているような宗教的真理が入っていないと思うんです。
先ほど、「税金が上がれば自由の死が来る」というようなことも言いましたけれども、そういう経済的な自由の死だけではなく、真理の面において、やはり間違っているところがあったと思うんです。(つづく)