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どれくらいの税金が妥当なのか?(ハイエク先生)

「未来創造の経済学」ハイエク先生の公開霊言を読ませていただいて、とむすけが心惹かれたところを抜粋し、記憶に残しておこうという趣旨で、記事にしたいと思います。(時間をみつけて抜粋していこうと思います。)

 P32 どれくらいの税金が妥当なのか?

 税金の問題についてですけれども、日本であれば、江戸時代には農民から税金を取っていたと思います。

 それは、「五公五民」(ごこうごみん)、すなわち、「半分を、役所、お上が取って、残りの半分が自分のものになる」というあたりが限度であり、これを超えて、「六公四民」(ろっこうしみん)などになったら暴動が起きたと思います。だから、どう見ても、これが上限なんですね。これ以上にいかない。

 しかし、そういう税金がかかっていたのは基本的には農民であって、商業の世界などには、あまりかかっていなかったわけです。侍にもかかっていなかった。ほかの人にたちにはほとんどかからず、農民中心にかかっていた。

 ところが、今は全体に税金がかかっているわけですから、政府は、昔よりも大きな政府のほうへ向かっていこうとしているんですね。

 これは、「本来政府がやらなくていい仕事に、数多く手を出して、自分たちの権力、権限を増やそうとしている」ということです。 しかも、「実際にはその世界の仕事を運営する知識もノウハウもないにもかかわらず、やる」ということなのです。

 例えば、法律の知識はあるにしても、薬や医学の知識は必ずしもない人が、予算を費やして、いろいろなことをします。大騒ぎをして、「インフルエンザのワクチンを何千万本もつくる」とか、「一億本も輸入する」とか、そういうことをあたふたと決めて、税金を湯水のごとく使います。こういうことをするわけです。

 こうしたことが数多く積み重なって無駄が起きてくるのですけれども、あとから、検証はなされていないんですね。

 だから、税率について私は思うのですが、基本的には、やはり、五十パーセントに近づいていくあたりが、個人としては限界であり、税率が上がれば上がるほど、実際には労働の生産性が下がっていくはずなんです。

 マックス(最大限)我慢できるのは、やはり、二十五パーセントだと思います。

 四分の一ぐらいまでなら、比較的、正直に働いて、正直に申告する可能性があります。それは、成功している人の場合です。

 成功していない人の場合には、もちろん、二十五パーセントでも高いので、一般的には十パーセントぐらいになると思います。

 最下層の人になりましたら、十パーセントでも高いでしょうから、それに対しては、もう一段のセーフティーネットが必要だろうと思いますが、一般で十パーセント、最高税率で二十五パーセントぐらいが限度だと思います。

 それ以上、取った場合には、「それだけ金を使わなくてはいけないシステム自体に間違いがある」と考えなければいけない。

 これは個人の所得税においてですが、企業の税金においてもそうで、やはり、マックスは二十五パーセントです。今、中小企業等に関しては、もう少し下がろうとしてはいますけれど、それは、赤字があれだけ多いので、実際上、無理な話だからですね。

 うまくいったところで、マックスが二十五パーセント、普通は十パーセントぐらいに近づいていかなければならないでしょう。

 「人々が正直に申告できるレベルで線を引かなければいけない」と思います。

 これが税金についての考えです。

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