☆当フォトログはこの5月22日で1周年を迎えます。とにかく、何とか続けてこられたこと感慨深いものがありますねぇ。ブログとしての多用な機能を、まだまだ使いこなしているとは言えませんが、撮影した写真をすぐに記事に掲載できるようにはなりましたぁ。これも、みなさまのおかげです。本当にありがとうございます、心より感謝いたします。m(_ _)m
そのつど、ひとつひとつ、フォトログを記事書きながらも、何が一番楽しいのか、喜びに感じているのか、醒めた目で考えてきましたが、やはり「撮影している時が一番愉しい♪」という結論に至ります。
飯沢耕太郎さんの「写真を愉しむ」(岩波新書1106)の、Ⅲ撮る愉しみ-写真を使って表現する 2写真家になるには に、写真家になるための資質として次のように挙げられています。
◎メカニズムを使いこなす能力
◎場をコントロールする能力
とあり、特に「あぁ、なるほどなぁ~」と、関心した◎場をコントロールする能力を引用して、少々学んでみたいと思いますねっ。
場をコントロールする能力
プロの写真家の撮影現場に立ち会うと、彼らが実に上手にその場をコントロールしているのがわかる。
モデルの撮影が一番わかりやすいだろう。最初のうちはモデルの表情が硬く、リラックスできないことがある。そんな時、写真家たちはひょうきんな身振りをしたり、冗談を言ったりして場の空気を和らげようとする。立て続けにどんどんシャッターを切って、モデルを乗せていくのもよく使う手だ。プロフェッショナルとアマチュアの違いは、この無駄弾をどれだけ使えるのかという所にもありそうだ。
ただいくら冗談を連発しても目は笑っていない。モデルの様子冷静に観察し、冷静にベストの選択をしていく。写真家にはプレイヤーとしてだけでなく、監督(演出家)の才能も必要ということだろう。大局的に全体を見渡して、その場を仕切っていく能力だ。
それだけではない。写真家の作品を見て、どうしてこんな凄い写真が撮れたのだろうと驚いてしまうことがある。被写体がありえないようなシャッターチャンスで捉えられているのだ。
もちろん多くの場合、それは偶然の産物である。でもそれは、本当にそうなのだろうか。写真家がその偶然を呼び込むということもありえるのではないだろうか。
別にオカルト的な能力のことをいいたいわけではない。いい写真家には、必ずそういう「呼び込む力」が備わっているように思える。
なぜかこう動いてほしいと思ったように被写体が目の前にあらわれる。出会うはずのない二人が出会ってしまう。そういえば、自分がロケに行くと絶対に晴れると豪語していた写真家がいた。そういう「晴れ男」も写真家の重要な資質のひとつだろう。
おそらく彼らには特別な予知能力が備わっているのかもしれない。これから先に何が起きるかを、一瞬のうちに判断して先回りできる能力である。戦争カメラマンなどは、それがないことには話にならない。弾の飛び交う戦場でいい写真を撮り、なおかつ、生き残って帰還しなければならないからだ。判断を誤れば直ちに死が待っている。
ただ、こういう能力はどんな写真家にも必要だろう。偶然を必然に変えてしまう動物的な第六感のようなものだ。
撮影していて、何が愉しいのか♪っていうと、飯沢耕太郎さんのこの「場をコントロールする能力」の記述からいくと、「偶然を呼び込む」「偶然を必然に変えてしまう第六感」が発揮される瞬間が非常に愉しいわけなんですねぇ~。
たとえば、とむすけの稚拙な事例で申し訳けありませんけど、ご覧いただきますね。
街を歩いていると(ストリートスナップ)、ふと何やら気になるモノが目についたりしますよね。
今回の事例は、それが、これ、カメラはリコーR10。いつものコンデジです。
イラストのおじさんと大きな文字が、何か面白く感じたので、歩道を通る人を一緒に写し込むと、リアリティ(臨場感)が出るのではないかと思い、しばらく待っていると…。
人が通ってくださるんですね。
このとき、通ってくださる方が、演出ヤラセなしの「偶然」なんですね。
カメラを構えて待つ方にすれば、偶然を必然に変えて、どのような人が通るか分かりませんが、「完成予想図」としてどの位置くらいに、人を添景として配置すれば絵になるかなぁ~。なんて考えますよねっ。
歩道の柵の間から、車道を横断する女性が急に出てきて添景にさせていただきましたぁ。演出ヤラセなしですから、ごく自然な写真になりますよね。
そこが、撮影に出て現場でないと味わえない、スナップ写真においての「場をコントロールする能力」 撮影の愉しさなんですね。 伝わりますでしょうかぁ~ (^o^)
※追記(5月24日) 時間がとれましたので、ご質問にお答えいたします。(^o^)
上の記事で、「車道を横断する女性が急に出てきて添景にさせていただきましたぁ。演出ヤラセなし。」とありますが、この1枚の写真だけでは雰囲気が分かりません。その前があれば見せてくれませんか~。
という、ご要望です。 よかったです。たまたま、「連写」して、その前の2枚を撮っていましたので、ご覧いただこうと思います。
1
2
3
こんな感じです。これで非常によく分かるのではないかと思います。 写真的に2の方がいいという感じもありますね。
写真する者に絶大な影響を与え続けている、土門拳先生や木村伊兵衛先生の「リアリズム写真」に、少しでも近づきたいものですねっ。(^o^)